非破壊検査の種類について

非破壊検査は、物体を破壊することなく問題を検出するものです。物体は表面しか見えないため内部で何が起こっているかは、視認で確認することはできません。金属においては内部の傷の存在が将来的に金属の破断を起こさせる可能性があります。また多層に重ねたものや貼り付けたものの接着部分に隙間などが存在すると将来的な剥離の原因になります。

このような危険を回避するためにも検査が重要になります。通常は、このため棒などで叩いて音の違いによって問題を確認する打音検査といった方法が車両や構造物を検査するさいに行われていますが、音の反響による異常の検出は浅い場所に限られるため検出できる問題も限定的です。また多層で柔らかに物体では音による検査は適しません。このため精密な検査を行うためには専用機器を使って行われる非破壊検査が行われます。

物体の内部で起こっている問題を正確に検出するための検査が非破壊検査と呼ばれるものですが、非破壊検査の種類としてはレントゲンに代表されるような放射線を利用したものです。X線コンピューター断層撮影(CT)やガンマ線、ミュオグラフィなどがあります。しかし、放射線を使う場合には放射性物質の管理が必要になります。一方でこの他に使われるものは超音波や過電流、また磁力を用いたもののほか、物体を正確に計測してひずみを測定するものやサーモグラフィを用いて赤外線によって表面温度差を測定する方法などがあります。

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