非破壊検査とは物を壊さずにその内部や表面の傷や劣化の状況を調べる検査技術のことをいいます。その対象は工業製品や各種設備、例えば原子力発電所・プラント・鉄道航空機・橋梁・ビル・地下埋設物など社会資本の全てが対象です。非破壊検査によって得られるメリットは、まず将来にわたって健康な生活を維持できる自然環境の維持があげられます。廃棄物の増加とその処理については、処分場の確保が困難である等各地で大きな問題になっています。
地域住民が有害廃棄物の流失や悪臭あるいは有害物質の地下への浸透などを心配して設置に反対をしている等たびたび報道されています。廃棄物の量を極力減らす努力が官民ともに必要で、被破壊検査を活用することにより製品や設備の寿命を長く保ち廃棄物を少なくてし、自然環境の破壊を防ぐことができます。素材や製品を壊さすに傷の有無や大きさ・形状等を調べる試験や材質試験などの被破壊試験は、素材からの加工工程及び完成時の製品検査、設備の建設時の検査等に適用されることで、製品や設備の信頼性を高め寿命を長くすることができます。また、保守検査の一環として行うことにより使用中の設備の長期にわたる有効な活用を可能にします。
非破壊検査の方法は、目視検査をはじめ放射線や超音波、赤外線等最新の装置と技術を駆使して行われています。例えば超音波検査を使った調音波深傷検査では、耳に聞こえない高い周波数の超音波を使用し材料内部の傷の検出や位置、大きさが検出されたり、板やコンクリートの厚さを測定出来ます。このことから建設中のビルでの鉄骨の溶接部に空洞や傷がなく安全に建設できるかどうか確認することができます。