商品を開発する多くの企業で使われているものに検査治具があります。治具というのは聞き慣れない言葉ですが、特定の用途のみに使われる計測機械のことを言い、販売されたりせずにその研究期間のみで利用されています。特定の条件下での温度を測ったり長さを測ったりと、汎用性はないもののその研究においては非常に重要なものを検査治具といいますが、知らない人は全く知らない言葉かもしれません。少しずつ条件を変えていって最適な場所を見つける、といった行為は研究においてよくあります。
その場合に重要なのは条件を変えずに、出来るだけ狭く小さな空間と短い時間で検査してしまう事です。こういう事情もあり、研究対象がズラリと並んだ状態になる事もしばしばあります。それらを計測するのですから、検査治具もセンサーが大量についたものになったりするのです。それらはその研究においてとても重要なものですが、しかしそれを市販されたとしても使いどころはありません。
大量生産出来ないなら価格も高くなってしまい、利用価値がなく値段も高額となれば存在価値もなくなります。つまり市販には向いていないというものなのです。市販出来なくてもその研究期間には重要なので、それがつまり検査治具というものと言えるでしょう。こういったものは世界中のあらゆる研究期間で日々作られていますが、日の目を浴びるのは検査治具自体ではなく、研究によって生み出された完成した商品なのです。